BC州における薬物使用者の非犯罪化

Last updated on June 4, 2024

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薬物使用者の非犯罪化とは

依存症は健康上の問題であり、犯罪に関する問題ではない。薬物使用者を非犯罪化することは、BC州の取り組む多くの活動の1つであり、私たちが愛する人々を死に追いやる有害な薬物危機に対応し、予防や害の軽減あるいは治療や回復といった彼らが必要としているケアを受けながら生きていけるようにすることである。

薬物使用者を非犯罪化する目的は、人々が医療援助といった助けを求めることを妨げてしまう恥ずかしいという思いや刑事訴追への恐怖を減らすことである。

現在はBC州では:

  • 公共の場での薬物使用は違法である。病院、会社、交通機関、公園などの公共スペースでは、違法薬物の使用や所持は禁止されている。 
  • 成人している場合、個人使用目的で、個人宅、シェルター、中毒外来、過剰摂取予防、薬物検査サービスなど特定の場所で、違法となっている薬物(オピオイド、コケイン、メス、エクスタシー)を合法的に少量であれば所持することができる

カナダ保健省の免除の仕組み

カナダ保健省はBC州に対し、薬物使用者を非犯罪化する規制薬物・物質法の適用除外を3年間認め、2023年1月31日に発効した。

この免除措置では、特定の場所で個人的に使用するために少量の違法薬物を所持することが認められている。

これらの場所では、18歳以上の成人の場合、個人使用のために少量の特定の違法薬物を所持していても、逮捕、起訴されたり、薬物を押収されたりすることはない。その代わり、これらの薬物使用者に健康情報を提供され、依頼があれば治療やサポートを紹介される。

場所:

  • 個人宅
  • 住居がない個人が合法的に避難している場所(屋内および屋外)
  • 過剰摂取予防、薬物検査、監視付き消費サイト 
  • 早急に利用できる中毒者向けクリニックなど、外来中毒者向けサービスを提供する場所

免除の対象となる違法薬物(合わせて2.5グラムまで)

  • オピオイド(ヘロイン、モルヒネ、フェンタニルなど)
  • クラックと粉末状のコケイン
  • メタンフェタミン(メス)
  • MDMA(エクスタシー)

引き続き違法であるもの

  • 18歳以上の成人の場合でも所持できないもの:
    • 免除の対象となる薬物の合計量が2.5グラムを超える場合
    • 免除の対象とならない他の違法薬物の所持
    • 病院、会社、交通機関、公園など公共の場所でのあらゆる薬物の所持 
  • 18歳未満の青少年は、いかなる量の薬物も所持できない。
  • 違法薬物は合法ではない。これらは取引や店頭販売はできない。

CDSAの認可がない限り、薬物の製造、輸出入は違法である。執行と治安

  • 警察は、薬物中毒を犯罪としてではなく、健康問題として扱うことを支援する指導を受けている。
  • 警官が、公共の場で問題のある薬物使用を取り締まる方法と権力を持つようになった。
  • 違法で危険な薬物使用が行われている現場が通報された場合、警察は以下のことができる:
    • 健康情報を提供し、治療や社会サービスの紹介 
    • その場を強制的退去
    • 必要な場合、薬物押収
    • 必要な場合、薬物使用者の逮捕
  • さらに、メンタルヘルスや中毒危機にある人々の通報に対応するため、多くのコミュニティ内で迅速に対応するチームが活動している:
    • 移動式統合危機対応チームは、警察と、危険性の高い状況を緩和し、直ちに専門的なケアを提供、法的措置の代わりに薬物使用者を回復サポートにつなげる訓練を受けた精神科看護師またはソーシャルワーカーとのペアを組んでいる。
    • 精神保健福祉士と訓練を受けたピアサポートワーカーで構成されるピア・アシスト・ケア・チームは、リスクの低い状況のもとで、心のケアに配慮した思いやりのあるケアを提供する。
  • セーフ・コミュニティ・シチュエーション・テーブルは、警察、医療およびソーシャルサービス部門の第一線であるスタッフを集め、弱い立場にある人々が薬物過剰摂取や収監といった否定的あるいはトラウマ的な出来事を経験する前に、彼らを薬物中毒支援、メンタルヘルスおよび住宅支援につなげる。

人々をケアと治療につなげる

薬物中毒の治療と回復は複雑である。全ての人に有効な唯一の解決策はない。 

BC州は、予防や害の軽減、治療や回復に至るまで、薬物使用者がどのような状況にあってもサポートするケアモデルを構築している。

  • 今すぐ助けを求めるなら、ヘルプ・スターツ・ヒア(Help Starts Here)で24時間365日サポートを受けることができる。 
  • 薬物を使用している場合、より安全に過ごすためのステップ:
    • ナロキソンキットの携帯。
    • 1人で使用する場合はライフガード(Lifeguard)アプリを使用し、過剰摂取の場合は911に通報。
    • 薬物検査、過剰摂取防止、監視付き消費サイトでのサービスの利用。
    • 自分に合った回復への道のりを見つける方法を、医療提供者に尋ねる。

モニタリングと評価

  • カナダ保健省は、BC州に対し、実施状況、初期の成果、一般の認識、予期せぬ結果など、綿密にモニタリングおよび評価し、継続的な調整を行うよう求めている。
  • BC州は、モニタリングしている:
    • 法執行慣行の変更
    • 薬物使用者の社会的情緒における健康の変化
    • サービスと治療への道のり
    • メンタルヘルスと薬物中毒のケアシステム構築への取り組みの進展
    • 薬物押収と個人的所持における犯罪告発に関するデータ
    • 非犯罪化に対する一般的な認識と理解 
  • BCCDCは、規制されていない薬物中毒に関するデータのモニタリングと報告を続けている。
  • カナダ政府は、カナダ保健研究所を通じて、薬物使用による害に対処するための免除の影響を評価する第三者研究に資金を提供している。

報告

リソース