カナダ保険省はブリティッシュコロンビア州に対し規制薬物・物質法の適用除外を許可しました。2023年1月31から、BC州在住の成人が特定の違法ドラッグを少量個人使用のために所持している場合、刑事罰には問われません。
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最終更新日: 2023年9月14日
個人で使用するための特定の違法ドラッグの所持の非犯罪化はBC州の依存性薬物危機との戦いにおける重要な一歩です。
非犯罪化は救命支援とサービスの利用の妨げとなっている障壁やスティグマの削減に役立ちます。薬物使用は公衆衛生問題で、刑事司法の問題ではありません。
公衆衛生の専門家を始め警察や擁護団体は非犯罪化を提唱し、将来的にさまざまなメリットがあると指摘しています。
州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士は非犯罪化を自らの2019年発行の報告書「危害を防ぐ―BC州における薬物使用者の非犯罪化〔Stopping the Harm: Decriminalization of People Who Use Drugs in B.C.〕」の中でスティグマの軽減と依存性薬物危機への対処の重要な戦略として非犯罪化を提唱しました。
カナダ警察長協会は、公衆衛生と公共安全への弊害を抑えるための効果的な方法として非犯罪化を支持しています。
非犯罪化はポルトガル、ウルグアイ、ドイツ、リトアニア、オーストラリア、チェコ共和国、米オレゴン州など多くの国や地域で実施されています。
エビデンスによると、非犯罪化は薬物使用と犯罪化に関連する弊害の低減に効果的な方法であることが示されています。
非犯罪化は薬物使用率の増加とは関連がありません。ポルトガルの薬物使用と過剰摂取による死亡率は、非犯罪化が実施されて以来EU(欧州連合)の平均を下回っています。
非犯罪化は刑事司法制度のコスト削減に効果があると期待されています。ポルトガルでは非犯罪化以降薬物関連の判決を受けた囚人の割合は40%から15%に減少し、逮捕や告訴などの大幅な減少は刑事司法制度へのプレッシャーを軽減しています。
カナダ保健省は2023年1月31日から2026年1月31日までブリティッシュコロンビア州に対し規制薬物・物質法の下、適用除外を許可しました。
この適用除外により、BC州の成人(18歳以上)は特定の違法ドラッグを個人で使用するために少量所持している罪で逮捕や告発されることはありません。この適用除外の対象となる違法ドラッグは次の通りです。
これら違法ドラッグのいずれかを合わせて2.5グラムを上限とする量を個人用に携帯していたことが見つかった場合でも刑事罰に問われることはなく、薬物も没収されません。その代わり保健と社会支援に関する情報の提供が行われます。これには、希望があれば最寄りの治療・回復サービスへの照会などのサポートが含まれています。
この適用除外は、学校(K-12)、認可保育所、プレイグラウンド、スプラッシュパッド、ウェーディングプール、スケートパークには適用されません。
次の薬物の所持は違法です。
非犯罪化とは合法化することではありません。この適用除外に基づいて、違法ドラッグ(上記記載の薬物も含む)は合法化されるものではなく、店舗で販売されることもありません。CDSA法で別に認可されない限り、薬物の製造、密売、輸出入は、所持している種類や量に関わらず、以前同様違法です。
さらに、本適用除外は特定の状況には適用されません。
以下の場所で違法ドラッグをいかなる量でも所持していることが見つかると、刑事犯罪として逮捕・告発され、薬物を没収されることがあります。
多くの場合、違法ドラッグを私有地で使用することは引き続き禁止されています。この私有地にはショッピングモール、バー、カフェなどが含まれます。これらの施設内でオーナーの要望に反して薬物が公然と使用された場合、警察は今後も薬物使用者を施設内から排除する法的権限を保持します。
各自治体は地域の医療衛生官と相談しながら引き続き適切な自治体条例を作成する権限を持っています。
この適用除外はブリティッシュコロンビア州のみで施行されます。カナダ国内の他州並びに準州では違法ドラッグに関する既存の法律が継続して適用され、またこの適用除外の施行によってカナダの国境管理規則に変更はありません。また、個人で使用する場合でも、違法ドラッグを国内の州境を始め国境を越えて持ち出すのは以前と同様に違法です。これは出入国に関わらず適用され、この適用除外が施行されているBC州への出入りにも適用されます。違法薬物の所持は、カナダ国内外の両方で深刻な刑罰の対象となり得ます。
特別な制約が個人所有の自動車、水上オートバイを始め公共交通に適用されます。酩酊危険運転は引き続き違法で、関連法の執行対象となります。
違法ドラッグの所持は上述の適用除外項目リストに載っているものも含め、以下の状況下では引き続き違法です。
適用除外には適用除外項目リストに載っている違法ドラッグの安全な保管に関する条件も明記されています。
服務規定に従うこととなっているカナダ国軍の軍人が除外項目リストに載っているドラッグを所持することは別段の定めがない限り、依然として犯罪となります。
本適用除外は18歳未満の人には適用されません。
17歳以下の青少年は違法ドラッグの所持が発覚した場合、連邦の青少年刑事司法の対象となります。本法は犯罪を犯した若年層の社会への復帰と再統合を推進しています。これには警察や検察官によるコミュニティサービス、保健サービス、指定カウンセリングサービスなどへの照会が含まれています。
青少年の安全を確保するために、違法ドラッグを使用(所持も含む)する行為は、学校、認可託児施設、プレイグラウンド、スケートパーク、スプラッシュパッド、ウェーディングプールの構内では禁止されています。これ以外の職場や組織内での薬物使用に関するポリシーは、コミュニティセンターやレクリエーションセンターなどの環境で年少者を守るために今後も継続して実施されます。
BC州は以下の方法で実施の準備をしました。
モニタリングと評価はBC州の薬物個人所持に関する適用除外に対してカナダ保健省が掲げた必要条件の極めて重要な項目です。連邦政府と州政府は緊密に協力して、実施状況、初期の結果、社会の認識、意図せぬ結果などの評価とモニタリングを行います。BC州は以下の項目をモニタリングします。
BC州のモニタリングと評価計画は、経時的に実施状況の継続的な調整の情報提供をするために適時調査結果をまとめ、生成することを目的としています。
BC疾病対策センター〔BC Centre for Disease Control〕は、非犯罪化に伴いドラッグ使用者の状況をよりよく理解するために使用者に関する研究と調査を実施しています。
BC州の取り組みとは別個に、連邦政府はカナダ衛生研究所を通じて、第三者の研究に出資して薬物使用による害に対処するための適用除外の影響の評価に役立てています。
BC州は、非犯罪化のモニタリングに加え、ケアシステム構築のためにこれまで行ってきたそしてこれからも継続して行う努力を例証する、精神衛生及び薬物使用データのスナップショットも公開しています。これには以下が含まれます。
BC州における非犯罪化について詳しくは下記をご覧下さい。